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 プロの洗礼。そんな言葉では表せないほどの衝撃だった。ソフトバンクの2年目左腕、前田純の視線は宙をさまよった。

 「何て言えばいいですかね。まあ力不足だったなと……」

 10月31日。対戦成績2勝2敗で迎えたDeNAとの第5戦。1点を追う四回、3番手でマウンドに送り出された。

 まず対したのは1番桑原将志だ。「桑原さんがキーマンみたいな感じがした。DeNA打線に勢いを感じたので、気合を入れて抑えにいった」。

 初球。内角高めへの直球を投げ込んだ。三遊間へのゴロ。遊撃手のが捕球したが、飛んだコースがよく、内野安打となった。

 続く梶原昂希も遊撃へのゴロ。しかし、一塁走者の桑原がスタートを切っていたため、二塁に入ろうとした今宮が逆を突かれ、こちらも遊撃への内野安打となった。

 無死一、二塁のピンチで迎えたのが3番のだ。第4戦まで17打数2安打、2打点と低迷していた。短期決戦では、相手の主軸をこのまま眠らせておくのが重要だ。

 「相手に流れがきている。開…