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 「障害者の希望を踏まえた結婚、出産、子育てに係る支援の推進について」

 今年6月、とが全国の自治体に出した通知文書では、本人の希望の実現に向けた支援体制を整えることや、必要な行政サービスの連携を求めた。

 背景には、北海道の知的障害者施設で2022年、利用者に処置を提示していたことが明らかになった問題がある。の担当者は「支援の基本的な考え方を周知すべきだと考えた」と話す。

障害がある人が、自分の人生を自ら決める「意思決定」を尊重する考え方が広がっています。当事者や支援者は何に悩み、どのような支援が必要とされるのでしょうか。記事後半では、長年支援現場を見てきた心身センター職員が、大切にすべき考え方について語ります。

 障害がある人の結婚や子育てを支えることは、簡単ではない。

 障害者支援のNPO「生活支援センターしんしょうれん」(堺市)の相談支援専門員、山田陽子さん(61)が支援に関わった知的障害がある夫婦は6年前、交際が始まった直後に子どもができた。「金銭的に厳しく避妊できなかった」と主張したという。

当事者と子どもの権利 「割り切れない」

 2人には、子どもを育てたい…