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 角界にまた一人、楽しみな素材が加わった。10日にの合格が発表された、錣山部屋のセルジブデ・ルブサンゴンボ(18)。幕内優勝25回を数える元横綱・のおいで、「おじさんは相撲をに持ち込んだすごい人。いつか超えたい」と夢を描く。

 「僕は(気性が激しかった)おじさんのようなタイプじゃないので」と、柔和な表情で話す。父のドルゴルスレン・セルジブデさんは元横綱の実兄。「ブルー・ウルフ」のリングネームで、で活躍した。大関豊昇龍はいとこにあたり、小さい頃は母国でバスケをして遊んだ仲だ。

 ゴンボが最初にめざしたのはの土俵ではなく、だった。

 日本で野球観戦にはまった父の影響で、3学年上の兄サンダガバザルとキャッチボールをして遊んだ。モンゴルではなじみのない競技なだけに、環境を求めて日本へ。高知・中に進学した。日本語は話せるようになったが、レギュラーの座はつかめなかった。代打要員にとどまった。

 おじとはよく遊びで相撲をとった。素質を見込まれてか、よくこんな風に誘われた。

 「相撲やったら絶対強くなる!」

 ただ、おじの功績の大きさを知るだけに、同じ道を進むことにはためらいがあった。

 転機は中学を卒業する直前。明徳義塾高にいた兄に、寮の部屋に呼ばれた。

 「なあゴンボ。は厳しいぞ」

 兄は野球部に3年間所属して…