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 政権は大丈夫なのか。そう考えてしまう理由の一つは、不動産不況への対応の遅さだ。やっと本気になってきたが、今までの対策は小出しで、打開の見通しが立たない。

 少子高齢化への対応も鈍い。先日決まった年齢の引き上げは、検討され始めて10年以上が経つ。しかも増加が確実なをどうまかなうのかという大問題が控えている。

 半世紀前の議論を参照したい。主要国の識者による日米欧委員会(現・三極委員会)総会が1975年5月、京都で開かれた。そこでのハンチントン・米ハーバード大教授(当時)らの報告をまとめた「民主主義の統治能力」(サイマル出版会)は今も様々な論考で引用される。

 豊かになった国民は期待を増…